love letter~章吾~
あのバカが教師だなんて世も末だなと、俺は皮肉たっぷりに返した。
あいつが将来何になりたいのかなんて、俺の知ったことじゃない。
教師だろうが、聡の嫁だろうが、何にでもなればいい。
文系クラスとは校舎が違うから、そうめったに尾関と顔を合わせることがない。
それでも、偶然に顔を合わせると……。
あいつは、俺のことなんか、見向きもしなくなったんだ。
俺の存在なんか、まったく無視。
『笠原くん!』
犬みたいに尻尾振って俺に付きまとっていたくせに。