love letter~章吾~
「おい、次はなんだよ」
俺が聞いても、聡は無反応だった。
「おいって!」
「……なぁ、章吾。おまえと藁人形の相性は最悪だと思うんだ」
「はぁ?意味わかんねぇし」
「呪う相手の髪の毛が必要だと、書いているぞ?」
――な……!!
聡から説明書を奪い、目を通すと、確かにそう書いている。
反射的に、さっきから俺の視界のスミに割り込んでくる『物体』をチラリと見る。
教室の窓辺に立っているバカ女・尾関。
……あいつの、髪の毛!?
つか、誰が手に入れるんだよ!?
まさか、呪いをかける張本人の俺か!?