love letter~章吾~

「おい、次はなんだよ」



俺が聞いても、聡は無反応だった。



「おいって!」

「……なぁ、章吾。おまえと藁人形の相性は最悪だと思うんだ」

「はぁ?意味わかんねぇし」

「呪う相手の髪の毛が必要だと、書いているぞ?」



――な……!!

聡から説明書を奪い、目を通すと、確かにそう書いている。

反射的に、さっきから俺の視界のスミに割り込んでくる『物体』をチラリと見る。

教室の窓辺に立っているバカ女・尾関。


……あいつの、髪の毛!?

つか、誰が手に入れるんだよ!?

まさか、呪いをかける張本人の俺か!?

< 17 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop