love letter~章吾~
「実は、由香ちゃんを好きな章吾くん!」
成美が俺を、立てた人差し指でさす。
それを聞いて顔を赤らめうつむく尾関の姿が、視界の隅に入ってきた。
なに赤くなってんだよ。
マジで、うぜぇぞ。
俺がおまえを好きでなにが悪いんだ、このバカ女。
じろりと睨む俺に気づいた尾関が、また以前のように屈することなく、にこりと笑いかけてきた。
「周りはみーんな、知っていました」
ニヤニヤしながら言う成美の隣で、今度は聡が話し始める。
「そこで。もしも俺と由香が結婚するとなれば、章吾は絶対に動くと、長年の親友としての勘が働きました」