love letter~章吾~
なに物語風に語ってんだよ、おまえら。
普通に話せよ、普通に!
見てみろよ、俺の隣のバカ女を。
ハメられたくせにさ、今じゃ神に祈るように手の平を組み合わせて、目をキラキラさせながら聞いているぞ?
「ブライダル特集の話は本当。
しかし、結婚の話は……、なんと! 大嘘だったのでした~」
話を締めくくった聡の元にツカツカと無言で歩み寄り、拳で一発、聡の頭を殴る。
「……ってー! なんだよ、おまえっ!」
殴られた頭を大げさに押さえながら、聡がキッと俺を睨む。
「おまえ、尾関とキスしただろっ!?」
「えっ……!? キ、キキ……、キス!?」