love letter~章吾~
「はいはい、俺が勝手に言いました」
ヤケクソになって、投げやりに言う俺。
尾関は、俺の言葉をずっと待っている。
「ねぇ、もう一回言ってよ。好きって言ったじゃない」
「はいはい、好きです」
「もうっっ!!」
結局、照れくさくて。
俺はこの日、とうとう最後まで尾関に、二度目の真剣な「好き」を言わなかったんだ。
男が女に「好き」なんて、そう簡単に言えるか!
でも……。
俺のことを小学生の頃から追いかけ続けていた尾関は、そんな俺の性格を知り尽くしていたのか……。
ずっと、にこにこと笑っていたんだ――。