love letter~章吾~
*キス…?*
「こら!廊下は静かに歩けっ!」
「……すいませーん……」
苛立ちながら歩くと、足音はドタドタと大きくなる。
保健室の手前の大きな職員室。
その前を大股で、大きな音を立てながら歩いていた俺は、教頭から注意を受ける。
【保健室】
尾関がいる保健室のドアの前。
早く聡を呼んで、さっさと教室に戻ろう。
音を立てないように保健室の引き戸を、自分の顔がすっぽり入るくらいの幅まで開ける。
そこから顔だけを覗き込ませて、中の様子を窺う。
奥にある、二台のベッド。
その片方のベッドの傍らに、イスに腰掛けた聡がいた。
ベッドには尾関が横になっている。
尾関は眠っているのか、二人の間に会話はなかった。