love letter~章吾~
「おい、聡!おーいっっ」
あまり大きな声を上げると、尾関が目を覚まして面倒なことになるだろう。
小さな叫び声で聡を懸命に呼ぶが、あいつは気付きもせずに、ベッドで眠る尾関をじっと見ている。
おい、そんなに見ると目が腐るぞ!
て言うか、なんでそんなに尾関を見つめてるんだ?
「おい、さと……」
何度目かに聡を呼びかけた瞬間……。
聡がゆっくりと身を乗り出し、尾関に顔を近づけた。
「……聡……?」
聡の取った行動に、俺は目を疑った。
遠くからでも分かる、急接近する聡と尾関の顔。
それは……、聡が、眠っている尾関に一方的にキスしている姿だったんだ。