love letter~章吾~
俺はドアの隙間からすっぽりと入れていた顔を外し、保健室の壁に背を預けて佇む。
心臓がバクバクと鳴っている。
見てはいけないものを……見てしまった。
聡……、尾関のことを好きだったのか?
いや、好きなんだ。
そうでなきゃ、あんなことできねぇよな。
いったいいつから?
中学も一緒だったわけだし、ずいぶんと昔から好きだったとしてもおかしくはない。
尾関を好きだった聡に、俺は毎日のように尾関の悪口を言いまくっていたわけで。
それを聡は、どんな気持ちで聞いていたんだろう……。
「……章吾?」
「おっ、おおぅっ!聡じゃねぇかっっ!」
背後から突然声を掛けられ、俺は撥ねるようにしてもたれ掛かっていた壁から背を外す。