love letter~章吾~

ラブレターが届いた翌日から、尾関は俺の反応をチラチラと伺い始めた。


……んだよ。

こっち見るんじゃねぇよ。


俺は尾関の存在を頭の中から完全消去した。

それに見かねた尾関が、ある日、覚悟したような顔で俺に話しかけてきたんだ。



『ねぇ、笠原くん。手紙……読んでくれた?』



はいはい、読みましたよ。

へったくそな字で書かれた、すっげー寒い内容の手紙だろ?



『あたし……、本気だよ?返事……』



言葉を最後まで聞かず、俺は尾関を軽く睨んでその場を立ち去った。


俺に散々恥かかせておいて、本気だと?

未だに俺は家族から冷やかされてんだぞ?

< 3 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop