love letter~章吾~
ラブレターが届いた翌日から、尾関は俺の反応をチラチラと伺い始めた。
……んだよ。
こっち見るんじゃねぇよ。
俺は尾関の存在を頭の中から完全消去した。
それに見かねた尾関が、ある日、覚悟したような顔で俺に話しかけてきたんだ。
『ねぇ、笠原くん。手紙……読んでくれた?』
はいはい、読みましたよ。
へったくそな字で書かれた、すっげー寒い内容の手紙だろ?
『あたし……、本気だよ?返事……』
言葉を最後まで聞かず、俺は尾関を軽く睨んでその場を立ち去った。
俺に散々恥かかせておいて、本気だと?
未だに俺は家族から冷やかされてんだぞ?