love letter~章吾~

「いや、あの、アレだなっっ」

「は?」

「先生に、テストするから呼びに行けって言われてよ」

「あぁ、テスト。そういや、先週そう言っていたな」



俺の気持ちなど知らずに、聡はのんびりと言う。

俺だけが気まずい気持ちのまま、ゆっくりとした歩調で向かう教室。



「あ、そうだ」



二階にある教室に行く途中の階段。

そこに一段目に足を踏み入れた時、聡が思い出したようにズボンのポケットを探り始めた。



「ほら、これ」

「……なんだ?」



ティッシュで包まれた、謎の物体……。

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