love letter~章吾~
「おい、章吾?」
「……悪い」
「えっ?」
「俺の指から、この気持ち悪い物体を今すぐ抜き取ってくれ」
「はぁ?」
「……指が……離れねぇ……」
怖ぇ……。
怖ぇぇぇよっ!
指先から腐っていくような錯覚に陥る。
「教室、戻るぞ?」
さっきまで尾関の髪の毛をつまんでいた指先を、何度もズボンに擦り付ける。
「おい、髪の毛は?」
「……いらねぇ。藁人形は却下だ。あいつの髪の毛なんか触れねぇし」
「おい!苦労して手に入れたんだぜ?」