love letter~章吾~
笑い続ける立花の前で、尾関は助けを求めるようにして俺をじっと見る。
なに勘違いしてんだよ。
俺がここでおまえをフォローするわけないだろうが。
うぬぼれんじゃねぇぇぇっ!!
「……バカじゃね?」
思い切り尾関を睨みつける。
俺は冷たい言葉を投げつけて、大股でその場を離れた。
尾関のすべてがムカつく。
存在も、声も、時々目にする名前さえも。
入学式にもらった、尾関の携帯の番号とメールアドレスのメモ。
家に帰ってから、ソッコーで生ゴミと一緒に捨てた。
小学生のときにもらったラブレター。
……あれはどうしたっけ。
あの手紙の行方なんて、記憶にも残っていない。