love letter~章吾~
*恋の予感*
「ねっ、笠原くん。もうすぐ夏休みだね」
「………」
俺の『独り言』で図に乗ったのか、尾関はいつもの調子で話しかけてくるようになった。
……つぅか。
『押して引く』作戦は終わったのかよ、おまえ。
どうせなら引きっぱなしで、そのままどこかに飛んでいってしまえばよかったのに。
「一緒に海行かない?」
行かねぇよ。
「あっ、遊園地とかもいいよねっ?」
なんで俺とおまえが、どこぞのカップルのような会話してんだよ。
興味なしと言った顔で、俺は持ってきた雑誌をぱらぱらめくる。
「なに?笠原と尾関って付き合ってんの?」