love letter~章吾~
1.
*嫌いな女*
尾関とは小学校で出会ったわけだけど……。
運悪く、中学も一緒になって……。
高校くらいは違うだろうと思っていた。
俺の成績は学年でも上位グループに入っていて、尾関は下から数えた方が早いくらいバカだったから。
高校も俺は有名進学校、尾関は低レベルな高校に行くんだろうと、信じて疑わなかった。
それなのに……――。
「由香ー!合格おめでとうー!!」
なんで……あいつがいるんだ!?
各高校で一斉に行われた合格発表。
合格者の受験番号がずらりと並んだ掲示板の前で、俺は幻覚を見た。
幻覚……であって欲しかったのに、思わず抓った頬は間違いなく痛かった。
ひりひりと痛む頬を擦っていると、俺の姿を見つけた尾関が仔犬のように尻尾を振って駆け寄ってきた。