love letter~章吾~
尾関のテンションの高さは、イヤでも周囲のヤツらの目に入る。
俺との夏休みの計画を嬉しそうに妄想する尾関。
そんな尾関の話を聞いた、クラスの男が驚いたように突っ込んできた。
「えー、やだぁ。まだ付き合ってないってば!」
『まだ』?
おまえの能天気さには本当に頭が上がらない。
『まだ』どころか、天と地がひっくり返ったって俺とおまえが付き合うことなんてあり得ねぇし!
「……まだ、じゃねぇよ。死ぬまであり得ねぇぞ」
「あっ!喋ってくれたぁぁ!!」
――!!!!
しまった。
売り言葉に買い言葉じゃないけど。
黙っていたらいいように言いふらされそうで、つい……。