love letter~章吾~
「おい、章吾ー」
うんざりしていると、トイレに行っていた聡が戻ってくる。
聡は尾関をちらりと見た後「ちょっといいか?」と言って、俺を廊下に呼び出した。
さすが親友。
俺のこの状況をちゃんと分かってくれている。
「助かったー。ありがとな、聡」
教室から脱出した俺は新鮮な空気を吸い込み、聡に礼を言う。
聡は「助かった?なんのことだ?」と、きょとんとした顔で首を傾げた。
なんだ。
別に助けたわけじゃなかったのか。
少しだけがっくりとしたけれど、聡によって救われたのに違いはない。
「あのさ、さっきそこで、隣のクラスの女子に頼まれたんだけどさ」
「隣のクラスの女子?」
「あぁ」