love letter~章吾~
いまのこの会話が終わったら、俺とおまえは二度と話すことなんかないんだぞ。
今のうちに幸せに浸っておけ。
「あっ、ねぇ、夏休みなんだけど……。よかったら、一緒にどこか行かない?」
さっきまで強引だったくせに、尾関は急に改まって俺を誘う。
「……悪い。夏休みの予定はまだ分からないから」
まだ、未定なんだよ。
もうじきできる彼女と、これから過ごす夏休みだ。
早々に予定なんか入れられるわけがない。
「そっかぁ。じゃあ、暇な時に連絡して」
そう言って尾関は、自分の携帯の番号とアドレスを渡す。