love letter~章吾~

次はきっと、「好きな人は?」ってくるんだろうな。

そんなまどろっこしいことは抜きにして、さっさと言ってしまえよ?

俺は全然OKだぞ、千賀。



「あの……、好きな人……は?」

「いないよ」



即答したところで、また、千賀は口をつぐむ。

そして、小さく、何度も呼吸を整えている。

緊張して強張った顔が、また可愛かったりもして……。


いいなぁ、この緊張感。

女の子に対してドキドキしたのって、何年ぶりだ?


あのバカだったら……。

俺が裏庭に来た瞬間に、緊張感ゼロでこう言うんだろうな。


『笠原くん、大好きっ!あたしと付き合って!』


――……って。

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