love letter~章吾~
俺が成美と付き合い始めたもんだから……。
聡を利用して俺を振り向かせようって魂胆なのか。
――いや……。
あいつは、そんなに計算高い女だったか?
小学生の頃から俺に付きまとっていたけれど、いつだって直球型で。
下手な小細工といえば、あの素っ気無い態度を取り続けた数日間くらい。
あれだって、『誰かに吹き込まれました』と言わんばかりに、妙に尾関のキャラとはかけ離れていたし。
「ねぇ、章吾くんてば……」
「………」
本当に、俺を諦めてしまったのか――?
そして、本当に聡を好きになってしまったのか――?