love letter~章吾~
「うちのクラスにね、尾関さんを好きっていう男子、何人かいるのよ」
「へぇぇぇぇ」
俺はわざとらしく驚いた声を上げる。
あのバカがモテている。
そんな現実を知って、妙にイライラする。
あり得ない現実。
まったく、どいつもこいつも。
あのバカのどこがいいんだ?
素のあいつは、好きな男に対して異常なまでに執着するストーカー女なんだぞ。
「けど、聡くんっていう彼氏がいるって知ったら、みんなショック受けるだろうなぁ」
楽しそうに笑う成美の横で、俺はまた複雑な気持ちになるんだ。
そう。
あいつはもう、ストーカー女じゃないんだ。
俺の親友の彼女なんだ――って。