love letter~章吾~
「夏休みの思い出づくり。キスだけで終わらせたくないし」
「………」
なんの恥じらいもなく、成美はさらりと言う。
無言で頷いた俺をちらりと見たあと、成美は携帯の番号を操作し始めた。
「成美ちゃん、ここは携帯禁止だよ?受付のところで電話しないと」
そんな成美に向かって聡が優しく注意を促す。
成美は「しまった」という顔をすると、「すぐに戻るから」と言い残して受付の方へと走って行った。
「……俺、ちょっとトイレ行ってくるわ」
成美の姿が完全に見えなくなったあと、今度は聡がこの場を離れようとする。
聡までもが行ってしまったら、俺は尾関と二人きりか!?
冗談じゃねぇぞ。