幸せをくれた君に
君との距離
美香と再会してから数ヶ月がたった。


もちろん、理沙に美香と再会したこととか、お見合いまがいのことをしたとか、一切話していない。


正直に話せば、今の俺の状況を分かってくれるんじゃないか…とか、自分に都合のいいことばかり考えてしまいそうにもなるけれど、それだけは言えなかった。


「達哉、どうしたの?本当に最近、元気ないよ?」


抱きしめたままの俺の腕の中で見上げてくるのは彼女。


あぁ、まただ。


また、俺は自分の思考にふけってしまって、目の前の理沙を忘れてしまっている。


昨日、理沙のマンションに泊まったんだっけ、俺。


約束もなかったのに、どうしても理沙の顔が見たくなって押しかけた俺。

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