幸せをくれた君に
「ぷっ、ひどい顔してる…くくっ」

俺が思わず吹き出すと彼女は顔を真っ赤にした。

「ひどいです、からかうなんて」

彼女はかすかに震える声でそう言いながら、俺を睨みつけてくる。


俺はそんな彼女にニヤリと笑う。

「せっかく自己紹介したのに覚えてないってのも、結構、ひどいと思うけど」

「うっ……」

「じゃあ、改めて自己紹介。俺の名は美馬達哉24歳、よろしく」

俺は彼女に手を差し出す。
< 6 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop