jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
わたしは、お母さんと生きていくことになった。
お母さんは優しかった。
どちらかと言うとわたしはネガティブな性格だが、彼女はその逆でポジティブだった。
わたしのどんな悩みごとも聞き入れ、根気強く励ましてくれた。
お母さんが懸命に働いて援助してくれたおかげで、わたしは低賃金のアルバイト代だけで大学を卒業することができた。
しかし、就職を控えた矢先、癌で亡くなってしまった。
やっと恩返しができると思っていたのに・・・・・・。
信じられなかった。
体に不調を抱えていた素振りなんて、全く見せなかったからだ。
親の離婚と死別、両方味わったせいか、愛されていたけれど、どこかストレートに響くものではなかった。
今だって、甘えたいのに、お母さんはもういないのだから。
だけど、わたしはお母さんを愛している。
それに、わたしには愛する人ができた。
その赤ちゃんだってお腹にいる。
お母さん、ずっとわたしを見守っていてください。
ふと我に返ると、お婆さんが腕組をして、わたしを見ていた。
「なんだい。そんなにボーッとして・・・・・・。そんなんじゃ、この仕事はやってけないよ!」
「す・・・・・・すみません。わたし頑張りますから!」
満面の笑みで誓いを述べると、お婆さんは今まで見せてくれたことのないような、最高の笑顔をわたしに向けた。
「今日から、お前はわたしの弟子さ。覚悟しておきな」
お母さんは優しかった。
どちらかと言うとわたしはネガティブな性格だが、彼女はその逆でポジティブだった。
わたしのどんな悩みごとも聞き入れ、根気強く励ましてくれた。
お母さんが懸命に働いて援助してくれたおかげで、わたしは低賃金のアルバイト代だけで大学を卒業することができた。
しかし、就職を控えた矢先、癌で亡くなってしまった。
やっと恩返しができると思っていたのに・・・・・・。
信じられなかった。
体に不調を抱えていた素振りなんて、全く見せなかったからだ。
親の離婚と死別、両方味わったせいか、愛されていたけれど、どこかストレートに響くものではなかった。
今だって、甘えたいのに、お母さんはもういないのだから。
だけど、わたしはお母さんを愛している。
それに、わたしには愛する人ができた。
その赤ちゃんだってお腹にいる。
お母さん、ずっとわたしを見守っていてください。
ふと我に返ると、お婆さんが腕組をして、わたしを見ていた。
「なんだい。そんなにボーッとして・・・・・・。そんなんじゃ、この仕事はやってけないよ!」
「す・・・・・・すみません。わたし頑張りますから!」
満面の笑みで誓いを述べると、お婆さんは今まで見せてくれたことのないような、最高の笑顔をわたしに向けた。
「今日から、お前はわたしの弟子さ。覚悟しておきな」