jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
過剰な好奇心を丸出しにしてしまった自分が恥ずかしくなり、慌てて前に向き直した。
信号は、わたしの頬と同様に、赤に染まっていた。
一旦止まれ・・・・・・それは、わたしに対する忠告なのかもしれない。
(この先に何が待っていようと、わたしはもう逃げない!)
さっき交わした誓いの言葉が、脳裏に響き渡り、わたしに勇気をくれるようだった。
それに、千砂兎さんは全く怖い人には思えなかった。
きっと、わたしの中で眠っていた強運が、開花したのだろう。
千砂兎さんとの絆が生まれたら、一生悩み続ける必要もなくなるのだ。
自己中心的な考えかもしれないが、香さんの顔を見るたびに過ってくる不安、そして懺悔、これらを抱えて生き続きていくのは、思った以上に過酷だと痛感した矢先のことだった。
わたしのせいで離婚してしまった。
わたしが香さんを奪ったせいで・・・・・・。
そう思うと、燦然としたはずの世界が、高度なサングラスをかけたかのように、どす黒く塗り潰されてしまうのだ。
「わたしのせいで、ごめんなさい・・・・・・」
囁いたこのセリフが、千砂兎さんに贈る精一杯の気持ちだった。
「だから、あなたが謝る必要はない。わたしは、過激な事件を味わったあと、ほのかな恋心を掴んだはずだった。だけど、いつの間にか変化していた。香には負けたくない。彼の存在をライバルへと認識するようになってしまった。まぁ、後で詳しく話す。疲れただろう? 少し眠っていたらいい」
その言葉に安心したのか、いつの間にか深い眠りに落ちていた。
信号は、わたしの頬と同様に、赤に染まっていた。
一旦止まれ・・・・・・それは、わたしに対する忠告なのかもしれない。
(この先に何が待っていようと、わたしはもう逃げない!)
さっき交わした誓いの言葉が、脳裏に響き渡り、わたしに勇気をくれるようだった。
それに、千砂兎さんは全く怖い人には思えなかった。
きっと、わたしの中で眠っていた強運が、開花したのだろう。
千砂兎さんとの絆が生まれたら、一生悩み続ける必要もなくなるのだ。
自己中心的な考えかもしれないが、香さんの顔を見るたびに過ってくる不安、そして懺悔、これらを抱えて生き続きていくのは、思った以上に過酷だと痛感した矢先のことだった。
わたしのせいで離婚してしまった。
わたしが香さんを奪ったせいで・・・・・・。
そう思うと、燦然としたはずの世界が、高度なサングラスをかけたかのように、どす黒く塗り潰されてしまうのだ。
「わたしのせいで、ごめんなさい・・・・・・」
囁いたこのセリフが、千砂兎さんに贈る精一杯の気持ちだった。
「だから、あなたが謝る必要はない。わたしは、過激な事件を味わったあと、ほのかな恋心を掴んだはずだった。だけど、いつの間にか変化していた。香には負けたくない。彼の存在をライバルへと認識するようになってしまった。まぁ、後で詳しく話す。疲れただろう? 少し眠っていたらいい」
その言葉に安心したのか、いつの間にか深い眠りに落ちていた。