jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
道徳方面から見ると、全くつじつまが合わないであろう。
しかし、合致しないからこその美が、そこに存在するような気がした。
それに、わたしも千砂兎さんに、罪償いをしたいと思った。
「わたしは、千砂兎さんのために、できる限りのことはしたいです」
千砂兎さんの強張った表情は、糸が切れたように緩んだ。
「そうか・・・・・・よかった。ありがとう・・・・・・」
心だけが、頑丈な檻に閉じ込められていた龍は、この瞬間、全てが解放されたようだった。
「今日は、ひとまず、夕方くらいまで、ゆっくりお話するのでよろしいですか?」
すると、急に、畳を強く踏みしめながら、わたしの目の前にやってきた。
そして、わたしを優しく抱き締めた。
「すまない・・・・・・。わたしは疲れている。今日は、泊まって添い寝でもしてくれないか? 絶対に食わないと約束するから」
(食わないって・・・・・・本当に龍みたいな人だな)
そう思いながらも、千砂兎さんの甘えん坊な一面が見えたせいか、親近感が湧いてきた。
「分かりました。わたしたちは、親友でも、恋人同士でも、異性でも、同性でもない、中性の関係・・・・・・。悉く正中なり!」
勢い余ったわたしは、千砂兎さんの前でさえ、隠すべき本領を発揮してしまったようだ。
そう思ったが、時すでに遅しだった。
千砂兎さんの肩は小刻みに揺れ始め、とうとう腹を抱えて笑い出した。
(うっ・・・・・・。恥ずかしい・・・・・・わたしのバカっ!)
しかし、合致しないからこその美が、そこに存在するような気がした。
それに、わたしも千砂兎さんに、罪償いをしたいと思った。
「わたしは、千砂兎さんのために、できる限りのことはしたいです」
千砂兎さんの強張った表情は、糸が切れたように緩んだ。
「そうか・・・・・・よかった。ありがとう・・・・・・」
心だけが、頑丈な檻に閉じ込められていた龍は、この瞬間、全てが解放されたようだった。
「今日は、ひとまず、夕方くらいまで、ゆっくりお話するのでよろしいですか?」
すると、急に、畳を強く踏みしめながら、わたしの目の前にやってきた。
そして、わたしを優しく抱き締めた。
「すまない・・・・・・。わたしは疲れている。今日は、泊まって添い寝でもしてくれないか? 絶対に食わないと約束するから」
(食わないって・・・・・・本当に龍みたいな人だな)
そう思いながらも、千砂兎さんの甘えん坊な一面が見えたせいか、親近感が湧いてきた。
「分かりました。わたしたちは、親友でも、恋人同士でも、異性でも、同性でもない、中性の関係・・・・・・。悉く正中なり!」
勢い余ったわたしは、千砂兎さんの前でさえ、隠すべき本領を発揮してしまったようだ。
そう思ったが、時すでに遅しだった。
千砂兎さんの肩は小刻みに揺れ始め、とうとう腹を抱えて笑い出した。
(うっ・・・・・・。恥ずかしい・・・・・・わたしのバカっ!)