jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
走って店に向かっていると、すでに香さんが外で待っている姿が見えた。
(まぁ、珍しいこと。あっ! もしかして、2人乗りのバイクだから、一緒に乗ってどこかに行こうってこと?)
わたしは嫉妬ばかりして、どうしてこんな重要なポイントに気付かなかったのだろう?
バイク様々ではないか。
香さんの色気漂う温かい背中にかじりつき、罪悪感なく、ぴったり密着できるんだから。
スキップをしてしまいそうな衝動に駆られたが、そこは大人の意地で抑えながら、ようやく香さんの元へと辿り着いた。
「急がせてごめんね」
目の前には、黒い布をかけられたバイクがあった。
「さぁ、僕と蕾のバイクのお披露目だよ」
芸術の幕が開く、その瞬間は訪れた。
黒いボディーには、カラフルなタトゥーが施されているようだった。
その模様は、黒に映えるようなミルキーカラーで、花の蕾とそれに絡み付くツタがペイントされていた。
多種多様な蕾たちが、半開したり、閉塞したりしていた。
そして、フロントとバック両方に、シルバー素材の薔薇のアクセサリーが取り付けられていた。
その大きな薔薇は、見事に破蕾していた。
「か・・・・・・香さんっ、これ・・・・・・すごい」
わたしは香さんのセンスと技術に驚愕して、呑気に感想を言う余裕なんてなかった。
「喜んでくれたならよかったよ。う~ん、もうちょっと、秘密の花園っぽい、怪しいロマンティックさを表現したかったんだけど・・・・・・」
(まぁ、珍しいこと。あっ! もしかして、2人乗りのバイクだから、一緒に乗ってどこかに行こうってこと?)
わたしは嫉妬ばかりして、どうしてこんな重要なポイントに気付かなかったのだろう?
バイク様々ではないか。
香さんの色気漂う温かい背中にかじりつき、罪悪感なく、ぴったり密着できるんだから。
スキップをしてしまいそうな衝動に駆られたが、そこは大人の意地で抑えながら、ようやく香さんの元へと辿り着いた。
「急がせてごめんね」
目の前には、黒い布をかけられたバイクがあった。
「さぁ、僕と蕾のバイクのお披露目だよ」
芸術の幕が開く、その瞬間は訪れた。
黒いボディーには、カラフルなタトゥーが施されているようだった。
その模様は、黒に映えるようなミルキーカラーで、花の蕾とそれに絡み付くツタがペイントされていた。
多種多様な蕾たちが、半開したり、閉塞したりしていた。
そして、フロントとバック両方に、シルバー素材の薔薇のアクセサリーが取り付けられていた。
その大きな薔薇は、見事に破蕾していた。
「か・・・・・・香さんっ、これ・・・・・・すごい」
わたしは香さんのセンスと技術に驚愕して、呑気に感想を言う余裕なんてなかった。
「喜んでくれたならよかったよ。う~ん、もうちょっと、秘密の花園っぽい、怪しいロマンティックさを表現したかったんだけど・・・・・・」