jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
(このエロオヤジ~)
そう言いたいところだが、香さんには全くオヤジ要素がない。
30代後半なのに、青年ような雰囲気しか感じない。
彼なら許せると思ってしまうのだ。
(恐るべし、香さん・・・・・・)
意を決してできる限り素早く跨った。
香さんに例のものが見えたか、見えてないのかは分からなかったが、もう終わってしまったことなので気にしないことにした。
「もっと、前にきて。もっともっとくっつかなくちゃ、落ちちゃうよ」
わたしは、上半身を香さんの背中に密着させた。
自分が願っていたことなのに、実際やると相当恥ずかしかった。
しかし、香さんはもっと高レベルなことを要求してきたのだ。
「下半身が離れてるよ。隙間を開けたらだめだよ。もっともっとくっついて」
意味深な発言に聞こえてしまったわたしは、赤面しながらも言う通りにした。
「よし! あっ、ステッパーが留まったままだった。僕が先に乗ったらいけなかったんだ。うっかりしていたよ。2人で揺れたら、自転車みたいに外れるかも。ちょっと一緒に揺れてみて」
香さんが体を揺らし始めると、わたしはいけない妄想に走ってしまった。
(わたしはこんなにいやらしいキャラだったか?)
そう自分に問いかけながらも、そんな妄想をしていることがばれないように従うしかなかった。



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