jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
そのとき、香さんの悪魔の囁きが聞こえてきた。
「蕾、いやらしいね・・・・・・」
「!?」
わたしは理由が分かっているけど、あえて気付かない振りをした。
「何が? 香さんが揺らせって言うから・・・・・・」
「気付いているくせに・・・・・・。それにさ、僕、バイクに乗れないんだよね」
「はっ!?」
「だって、免許持って無いもん。ただ、蕾とこうしたかったのさ」
わたしの顔の半分は羞恥で火が出そうだったが、もう半分は呆れて冷たくなっていた。
「あぁ~。もうネタ晴らししちゃったから、もう蕾バイク乗ってくれないよね?」
小さくなった香さんの背中を見ていると、慈悲が溢れ出てきた。
「もう、売っちゃおうかな。昔、気まぐれでペイントした自転車が、10万で売れたんだ」
(えっ! え~っ!)
慈悲から驚愕へと感情が移り変わった。
「もう、このバイクがあっても、虚しくなるだけだから・・・・・・」
そして、雪崩のように激しい慈悲がわたしを襲った。
「だめよ! 売らないで! わたしが貰うわ。だって蕾のバイクだもの。ちゃんとわたしが免許を取るから!」
いつの間にか、ダイナミックな発言をした自分が、そこに存在していた。
「本当! ありがとう、蕾! じゃあ、今度は、僕の体全てを後ろから密着させてあげる。熱くなりそうだね・・・・・・」
底知れぬ美しさを持つ悪魔は、果てしなくノワールだった。
「蕾、いやらしいね・・・・・・」
「!?」
わたしは理由が分かっているけど、あえて気付かない振りをした。
「何が? 香さんが揺らせって言うから・・・・・・」
「気付いているくせに・・・・・・。それにさ、僕、バイクに乗れないんだよね」
「はっ!?」
「だって、免許持って無いもん。ただ、蕾とこうしたかったのさ」
わたしの顔の半分は羞恥で火が出そうだったが、もう半分は呆れて冷たくなっていた。
「あぁ~。もうネタ晴らししちゃったから、もう蕾バイク乗ってくれないよね?」
小さくなった香さんの背中を見ていると、慈悲が溢れ出てきた。
「もう、売っちゃおうかな。昔、気まぐれでペイントした自転車が、10万で売れたんだ」
(えっ! え~っ!)
慈悲から驚愕へと感情が移り変わった。
「もう、このバイクがあっても、虚しくなるだけだから・・・・・・」
そして、雪崩のように激しい慈悲がわたしを襲った。
「だめよ! 売らないで! わたしが貰うわ。だって蕾のバイクだもの。ちゃんとわたしが免許を取るから!」
いつの間にか、ダイナミックな発言をした自分が、そこに存在していた。
「本当! ありがとう、蕾! じゃあ、今度は、僕の体全てを後ろから密着させてあげる。熱くなりそうだね・・・・・・」
底知れぬ美しさを持つ悪魔は、果てしなくノワールだった。