jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
煙草
目が覚めると、窓際に香さんの姿があった。
星空には三日月が浮かんでいて、彼の視線はそちらに注がれていた。
香さんの口元から、煙が上がっているように見えるのは気のせいだろうか?
何かを指で挟んでいて、それを口にくわえたり、離したりを繰り返していた。
(!?)
その正体に気付いてしまったわたしの眠気は、綺羅星に向かって一気に吹き飛んでいってしまった。
思わず香さんに向かって叫んでいた。
「た・・・・・・煙草っ! 香さんって煙草を吸うの!?」
わたしの反応とは裏腹に、香さんは呑気そうにこちらを向いた。
「蕾、起きたんだね。ごめんね、我慢しきれなかったんだ。蕾はいつも11時にはここを出るだろう? いつもそれから煙草を吸うんだ。頻繁には吸わないよ。ヘビースモーカーとかいうんじゃないし。それより大丈夫? もう11時20分だよ」
時間よりも、寝不足になってしまうことよりも、香さんが煙草を吸うという事実のほうがかなりの衝撃だった。
わたしは煙草が大の苦手だ。
吸っている姿を見るのは好きだが、その煙がたまらなく嫌なのだ。
傍で吸っている人がいると、専用カプセルの中にでも入ってくれと言いたくなるほどだ。
そんな気持ちの反面、今まで、気を使ってくれていた香さんに感謝しつつ、そのセクシーな吸いっぷりに少しクラリときてしまっている自分がいた。
星空には三日月が浮かんでいて、彼の視線はそちらに注がれていた。
香さんの口元から、煙が上がっているように見えるのは気のせいだろうか?
何かを指で挟んでいて、それを口にくわえたり、離したりを繰り返していた。
(!?)
その正体に気付いてしまったわたしの眠気は、綺羅星に向かって一気に吹き飛んでいってしまった。
思わず香さんに向かって叫んでいた。
「た・・・・・・煙草っ! 香さんって煙草を吸うの!?」
わたしの反応とは裏腹に、香さんは呑気そうにこちらを向いた。
「蕾、起きたんだね。ごめんね、我慢しきれなかったんだ。蕾はいつも11時にはここを出るだろう? いつもそれから煙草を吸うんだ。頻繁には吸わないよ。ヘビースモーカーとかいうんじゃないし。それより大丈夫? もう11時20分だよ」
時間よりも、寝不足になってしまうことよりも、香さんが煙草を吸うという事実のほうがかなりの衝撃だった。
わたしは煙草が大の苦手だ。
吸っている姿を見るのは好きだが、その煙がたまらなく嫌なのだ。
傍で吸っている人がいると、専用カプセルの中にでも入ってくれと言いたくなるほどだ。
そんな気持ちの反面、今まで、気を使ってくれていた香さんに感謝しつつ、そのセクシーな吸いっぷりに少しクラリときてしまっている自分がいた。