jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
だけど、ここで自分を甘やかしてはいけないと思い、正直に気持ちを伝えることにした。
「香さん、わたしね、煙草を吸う姿は好きなんだけど、煙が苦手なの・・・・・・。わたしがいる間、ずっと我慢してくれてたんだね。ありがとう。全然気付かなかったよ。だけど、これから心配だな。煙草は体に悪いし・・・・・・」
わたしは、肺癌で苦しむ香さんの姿がありありと脳裏に浮かんできた。
(そんなの絶対に嫌! どうにか止めてもらわなくちゃ!)
その思いが喉近くまで出てきていたが、必死に奥に押し込んだ。
喫煙者に止めろと無理強いをするのは逆効果だからだ。
少しずつ減らすことに専念させなければならない。
健康アドバイザーのような気分に浸っているわたしを、沼から引きずり出すようなことを香さんは言った。
「わかった。蕾の好きな部分は残して、嫌いな部分は排除するよ」
「どういうこと?」
香さんの意図が全く掴めなかった。
いつものことではあるが・・・・・・。
「つまり、吸う格好はするけど、火は付けないってこと」
香さんは、わたしのせいで頭が狂ってしまったのだろうか?
喫煙者がそんな過酷な至難の技を使いこなせるはずがない。
毒を吸ってこその快楽なのだから・・・・・・。
「そんなことできるの? 無理はしないでね。リバウンドが怖いから。少しずつ減らしていけばいいよ」
「香さん、わたしね、煙草を吸う姿は好きなんだけど、煙が苦手なの・・・・・・。わたしがいる間、ずっと我慢してくれてたんだね。ありがとう。全然気付かなかったよ。だけど、これから心配だな。煙草は体に悪いし・・・・・・」
わたしは、肺癌で苦しむ香さんの姿がありありと脳裏に浮かんできた。
(そんなの絶対に嫌! どうにか止めてもらわなくちゃ!)
その思いが喉近くまで出てきていたが、必死に奥に押し込んだ。
喫煙者に止めろと無理強いをするのは逆効果だからだ。
少しずつ減らすことに専念させなければならない。
健康アドバイザーのような気分に浸っているわたしを、沼から引きずり出すようなことを香さんは言った。
「わかった。蕾の好きな部分は残して、嫌いな部分は排除するよ」
「どういうこと?」
香さんの意図が全く掴めなかった。
いつものことではあるが・・・・・・。
「つまり、吸う格好はするけど、火は付けないってこと」
香さんは、わたしのせいで頭が狂ってしまったのだろうか?
喫煙者がそんな過酷な至難の技を使いこなせるはずがない。
毒を吸ってこその快楽なのだから・・・・・・。
「そんなことできるの? 無理はしないでね。リバウンドが怖いから。少しずつ減らしていけばいいよ」