jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
「蕾に今すぐプレゼントしたいんだけどさ、まだ完成していないんだよ」
きっと、わたしは餌をお預けされた小犬のような、または、目の前にある欲しいおもちゃを買ってもらえなかった子どものような相貌しているだろう。
「ごめんね。蕾。でも、捻くれてもいられないよ。だって、完成させるには、僕と蕾、それぞれの歌詞が必要なんだから。この宿題が成し遂げられた時点で、オルゴールの授与が決定されるんだ。頑張って、蕾!」
そう言った香さんの瞳は、微光を放つほどの無邪気さが滲み出ていた。
浮かんだイメージをリアルに表現して完成させるのが、香流なのだ。
わたしは逆らうのを諦めて、言うことに従うことにした。
「うん、わかった。だけど、その曲を聞きながらじゃないと歌詞が書けないよ」
実はわたし、こう見えても、文章を書くことが好きだ。
たまに詩などが勝手に頭に浮かんでくるときがある。
感情をコントロールすることが難しくなってきたら、想いを文にしてぶつけるのだ。
薄いペラペラのメモ紙にぶつけるしかないのだが、意外にこれがすっきりする。
わたしのネガティブ緩和術だ。
香さんは、わたしにCDを手渡してきた。
「これに録音しているから、考えてきてね。僕は2番を作詞するから、蕾は残り全部考えてきてね」
(不公平・・・・・・)
そう思ったが、オルゴール製作者の方が比べ物にならないくらい大変なので、偉そうなことは言えなかった。
こんなわけで、わたしは数日間、歌詞作りに没頭することとなった。
きっと、わたしは餌をお預けされた小犬のような、または、目の前にある欲しいおもちゃを買ってもらえなかった子どものような相貌しているだろう。
「ごめんね。蕾。でも、捻くれてもいられないよ。だって、完成させるには、僕と蕾、それぞれの歌詞が必要なんだから。この宿題が成し遂げられた時点で、オルゴールの授与が決定されるんだ。頑張って、蕾!」
そう言った香さんの瞳は、微光を放つほどの無邪気さが滲み出ていた。
浮かんだイメージをリアルに表現して完成させるのが、香流なのだ。
わたしは逆らうのを諦めて、言うことに従うことにした。
「うん、わかった。だけど、その曲を聞きながらじゃないと歌詞が書けないよ」
実はわたし、こう見えても、文章を書くことが好きだ。
たまに詩などが勝手に頭に浮かんでくるときがある。
感情をコントロールすることが難しくなってきたら、想いを文にしてぶつけるのだ。
薄いペラペラのメモ紙にぶつけるしかないのだが、意外にこれがすっきりする。
わたしのネガティブ緩和術だ。
香さんは、わたしにCDを手渡してきた。
「これに録音しているから、考えてきてね。僕は2番を作詞するから、蕾は残り全部考えてきてね」
(不公平・・・・・・)
そう思ったが、オルゴール製作者の方が比べ物にならないくらい大変なので、偉そうなことは言えなかった。
こんなわけで、わたしは数日間、歌詞作りに没頭することとなった。