jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
留守番
今日は、外出と人ごみが苦手な香さんにとって、一番憂鬱な日だ。
というのも、1年に1度だけ、この街の復興会が開かれるのだ。
歴史と異文化を感じるこの街を残すために、議論が交わされたり、交流が行われたりする。
国の指定文化財に登録されることが目標であり、更なる発展を望んでいるのだ。
何より、愛着があるこの街を残すために、住人たちは必死なのである。
もちろん、街に住む者は、強制で出席させられる。
わたしは、住所が違うので参加する必要はない。
そのため、留守番をすることになった。
いつもは、店を閉めて行くそうなのだが、今日はわたしがいるから大丈夫だと説得させた。
たまには、役に立ちたい。
物の基本的な手入れも覚えてきたし、レジだってできるし、接客だって板に付いてきた。
だから、自分を試したいという気持ちもあった。
「いってらっしゃい。香さん」
「あぁ、いってくるよ・・・・・・」
渋々手を振ってくる香さんを見送った。
店内には音楽が流れているものの、一瞬にして閑寂な空間へと変化してしまった。
1人暮らしの部屋にいるときは、それが当たり前だとしか感じないが、いざ店内で1人になってみると、香さんのいない寂しさに胸を打たれている自分がいた。
(香さん・・・・・・)
いつから、こんなに甘えん坊になってしまったんだろうと呆れながら、時計を見た。
(3時間も帰ってこないんだ・・・・・・)
でも、こうウジウジしてもいられないので、軽く掃除をすることにした。
というのも、1年に1度だけ、この街の復興会が開かれるのだ。
歴史と異文化を感じるこの街を残すために、議論が交わされたり、交流が行われたりする。
国の指定文化財に登録されることが目標であり、更なる発展を望んでいるのだ。
何より、愛着があるこの街を残すために、住人たちは必死なのである。
もちろん、街に住む者は、強制で出席させられる。
わたしは、住所が違うので参加する必要はない。
そのため、留守番をすることになった。
いつもは、店を閉めて行くそうなのだが、今日はわたしがいるから大丈夫だと説得させた。
たまには、役に立ちたい。
物の基本的な手入れも覚えてきたし、レジだってできるし、接客だって板に付いてきた。
だから、自分を試したいという気持ちもあった。
「いってらっしゃい。香さん」
「あぁ、いってくるよ・・・・・・」
渋々手を振ってくる香さんを見送った。
店内には音楽が流れているものの、一瞬にして閑寂な空間へと変化してしまった。
1人暮らしの部屋にいるときは、それが当たり前だとしか感じないが、いざ店内で1人になってみると、香さんのいない寂しさに胸を打たれている自分がいた。
(香さん・・・・・・)
いつから、こんなに甘えん坊になってしまったんだろうと呆れながら、時計を見た。
(3時間も帰ってこないんだ・・・・・・)
でも、こうウジウジしてもいられないので、軽く掃除をすることにした。