jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
わたしは何て不思議で皮肉な夢をみているのだろう?
瞬きを懸命にしているにも関わらず、目の前は真っ暗だった。
そして、片頬に感じる温もりも継続中だった。
視線を変えてみることにしたわたしは、夜空の方向を見上げた。
(!?)
そこには、わたしを見下す美しい人物が存在していた。
見下すといっても、慈悲に濡れたような濃密な面持ちをしていて、怖い印象は受けなかった。
だが、満月をバックに、ライトに照らされたその人は、紛れもなく妖艶な黒い悪魔だった。
男性かと思わせるような身長に、女性特有の滑らかな陶器のような白い肌、華奢な体を持ち合わせていた。
そして、射抜くようなあの眼力。
(志・・・・・・音?)
頭に浮かんだ2文字は、必死に口から零れ出てきた。
「志音さん・・・・・・?」
その女性らしき人は驚いたのか、わたしの頬からそっと手を外した。
そして、初めて口を開いた。
「どうして、わたしを知っている?」
その返事にわたしは、目を見開いた。
「志音さんなの? 本当に? わたし、雑誌であなたを見たときから、ずっと探していたの! そ・・・・・・そのぉ、言いにくいだけど、ファンになっちゃったというか・・・・・・そのぉ・・・・・・あぁ、ごめんなさい。心の準備ができてないみたい・・・・・・」
すると、志音はわたしに手を差し伸ばしてきた。
わたしは意図が分からず、首を傾げていると、志音は迷いもなく言った。
「見つけた。わたしのお姫様」
瞬きを懸命にしているにも関わらず、目の前は真っ暗だった。
そして、片頬に感じる温もりも継続中だった。
視線を変えてみることにしたわたしは、夜空の方向を見上げた。
(!?)
そこには、わたしを見下す美しい人物が存在していた。
見下すといっても、慈悲に濡れたような濃密な面持ちをしていて、怖い印象は受けなかった。
だが、満月をバックに、ライトに照らされたその人は、紛れもなく妖艶な黒い悪魔だった。
男性かと思わせるような身長に、女性特有の滑らかな陶器のような白い肌、華奢な体を持ち合わせていた。
そして、射抜くようなあの眼力。
(志・・・・・・音?)
頭に浮かんだ2文字は、必死に口から零れ出てきた。
「志音さん・・・・・・?」
その女性らしき人は驚いたのか、わたしの頬からそっと手を外した。
そして、初めて口を開いた。
「どうして、わたしを知っている?」
その返事にわたしは、目を見開いた。
「志音さんなの? 本当に? わたし、雑誌であなたを見たときから、ずっと探していたの! そ・・・・・・そのぉ、言いにくいだけど、ファンになっちゃったというか・・・・・・そのぉ・・・・・・あぁ、ごめんなさい。心の準備ができてないみたい・・・・・・」
すると、志音はわたしに手を差し伸ばしてきた。
わたしは意図が分からず、首を傾げていると、志音は迷いもなく言った。
「見つけた。わたしのお姫様」