jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
ブラウンの髪は躍動感に溢れ、白い肌には主張しすぎるであろう眉も髭も、ソフトに整えられていて、全く違和感がなかった。
服装はシンプルで、グレイのパーカーにカーキのズボンを合わせていた。
服やスニーカーの汚れ具合をみると、仕事熱心な彼の姿が想像できた。
落ちついた態度や表情の完成度を見ると、間違いなく年上だと確信できた。
観察している間に、彼の端整な唇が幕を開いた。
「その通りさ。君と僕は似ているのかもしれないね。同じものを見て同じことを感じる。僕が変わり者だと言われるように、きっと君も変わり者だと思われているはずだよ。僕にとって変わり者だと言われることは、最高の褒め言葉だし、変こそ美だと感じるんだ。君と僕が親しくなるのに十分な根拠さ」
確かにわたしは天然だとか変わっているとよく言われる。
深く付き合いのない知り合いにさえ、そう思われるんだから間違いないだろう。
出会ったばかりなのに、彼に親愛を抱いてしまっている自分の存在に焦りを感じた。
「あの・・・・・・あなたの名前は? わたしは、花咲蕾、26歳です」
いつの間にか親指は、彼の元に戻っていて、頭を掻く音が聞こえてきた。
「なんか自己紹介なんて照れるなぁ。僕は、野乃片 香、36歳。10歳も違うのか。若さについていけるか心配だな」
ふと天井を見上げた香さんの顎や首筋に、大人の色気を垣間見てまったわたしは、再び顔が熱くなった。
服装はシンプルで、グレイのパーカーにカーキのズボンを合わせていた。
服やスニーカーの汚れ具合をみると、仕事熱心な彼の姿が想像できた。
落ちついた態度や表情の完成度を見ると、間違いなく年上だと確信できた。
観察している間に、彼の端整な唇が幕を開いた。
「その通りさ。君と僕は似ているのかもしれないね。同じものを見て同じことを感じる。僕が変わり者だと言われるように、きっと君も変わり者だと思われているはずだよ。僕にとって変わり者だと言われることは、最高の褒め言葉だし、変こそ美だと感じるんだ。君と僕が親しくなるのに十分な根拠さ」
確かにわたしは天然だとか変わっているとよく言われる。
深く付き合いのない知り合いにさえ、そう思われるんだから間違いないだろう。
出会ったばかりなのに、彼に親愛を抱いてしまっている自分の存在に焦りを感じた。
「あの・・・・・・あなたの名前は? わたしは、花咲蕾、26歳です」
いつの間にか親指は、彼の元に戻っていて、頭を掻く音が聞こえてきた。
「なんか自己紹介なんて照れるなぁ。僕は、野乃片 香、36歳。10歳も違うのか。若さについていけるか心配だな」
ふと天井を見上げた香さんの顎や首筋に、大人の色気を垣間見てまったわたしは、再び顔が熱くなった。