年下だからってなめないで!
その彼の態度に、本当に怒っていないんだと少しほっとして、警戒を解いた。
「なんで、いきなり逃げたの」
心なしかちょっと落ち込んだような声色に罪悪感が一気にこみ上げてきて、
「ひ、人違いだったみたいで・・・っ!」
「人違い?」
謝りながら逃げた理由を話すと、彼はぽかん。とした表情で繰り返した。
「あの、昨日駅でハンカチを貸してくれた男の子がいて。その子が着ていた制服がそこの学校だったもので・・・」
語尾がだんだん弱くなりながらも、事情を話す。
だけども、彼は表情を変えなかった。
「別に、それわざわざ返さなくても良かったのに」
意気消沈して肩を落としたあたしに、彼は何事も無いようにサラッと零した。
・・・え??
彼の言葉に目を丸くしたあたしを見て、少しため息をついた彼。
もしかして・・・