年下だからってなめないで!
「あんたが探してるのは多分俺で間違いないと思うよ」
ムスッとした不機嫌な顔は中性的で整っている彼の顔にはもったいなかった。
その不機嫌な表情をしながらボソッとつぶやいた言葉に驚いた。
「やっぱり、君だったんだね・・・」
あたしの耳はやはり間違いなかったんだ。
仕事柄、自分の聴力を鍛えていた分さっきまで間違ってたことにすごい羞恥心を覚えていたものの、合っていた事実を知った瞬間に緊張感がほぐれた。
「あの、立ち話もなんだからちょっとあそこのカフェでお茶でも飲みながらお礼をさせてくれないかな?」
そう、あたしの目的は救世主でもある美少年にお礼を伝えること。
ハンカチもだけど、自分の心を軽くしてくれた彼にどうしてもお礼が言いたかった。
これも何かの縁だと思い、あたしは少し離れたところのカフェを指差した。
すると、彼はそちらの方をチラリと見た後、再度あたし見て静かに頷いた。