年下だからってなめないで!


「それで・・・松永君。昨日は本当にありがとうございました」


俯きがちだったけど、やっと伝えたい言葉が口から出てきて、あたしは心の底から松永君に感謝の意を伝えた。

そんなあたしの言葉に松永君は表情を変えず、先ほど来たばかりのココアを一口飲んだ。

コクリ、と小さく上下したのどを目で追うあたしはその後に続く彼の行動を待った。


「別に。たいした事はしてないでしょ・・・」


伏し目がちな彼の長いまつげがとても綺麗だった。
少し機嫌が悪そうな言い方も昨日と今日の行動を知っていれば、彼が本当は気をつかっているけども照れているだけだということが分かる。


「そんなことないよ」

あたしは、少しずつだけど分かり始めてきた松永君に微笑みながら言った。

そんなあたしの言葉に少しだけ、ほんの少しだけ目を見開き驚いた反応をした松永君。


「実際にあたしは昨日あの場所で松永君に救われたんだから」





< 15 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop