年下だからってなめないで!
由良は本格的に困ってきていた。
あれから、ずっと男子高校生に囲まれ質問攻めにあっている。
男子校ってこんなに女の人に飢えてんの...ッ?!
よくもまぁ、年上のあたしにここまで興味を持つわ...
いい加減、この場に居るのがいたたまれなくなって、また後日会いに来ようと諦めかけたその時...
「ちょっと、そこどいて」
人混みから突如聞こえてきたその声は、まだあたしの耳に残っているあの綺麗な美少年の声とそっくりだった。
いや、そっくりというよりも本人そのものだった。
「美少年君!」
「ちょ、何その呼び方...」
あたしが美少年と呼んだことに、恥ずかしさを覚えたのか、耳まで赤くした美少年が相変わらずの無愛想な声で返事をした。
間違いないっ...!
この子があの時の救世主だ!