-Why?-
『玲、聞いて欲しいことがあるんだ』
「なあに?」
いつもより真面目な顔をした大河。
『俺、親父の仕事の都合でアメリカに行くことになった』
え…。
あまりの衝撃に声すら発することができなくて。
それくらいあなたの存在は大きくなっていたんだよ。
『傍にいてやれなくて…ごめん。3年後にまたこっちに帰ってくる。それまで、俺のことを待ってて』
「わかったよ、ずっと待ってる」
また逢おう。
その時に結婚…しよう?
そんな約束を胸に秘めて、
大河はアメリカへ旅立った…はずだった。
【日本発のアメリカ行き航路の飛行機が墜落しました。乗客・乗員全員の死亡が確認されました】
そんなニュースを目にしたのは大河が旅立った日だった。
ねえ、大河?
神様はあまりに残酷だと思わない?