-Why?-
「結城君、待った?」
「全然大丈夫、行こう」
時計を見ると待ち合わせ時間より数分過ぎていた。
大人の対応?かななんて。
「わぁ!すてき」
結城君について入ったのはオープンテラスのカフェ。
「ここのホットサンドがお勧めなんだ。スープもついてきてお得なんだよ」
結城君の言う通り、ボリューミーなホットサンドに美味しそうなコーンスープがついてきた。
食べるとすぐにお腹いっぱいになってしまった。
「今日の講座難しかったよね」
「若林教授の講座好きだな」
なんてたわいない話で盛り上がっていると私の携帯が鳴った。
〔桜井純也〕
実は昨日電話をしてみたのだけど留守電になっていたんだ。
「電話出なよ」
私が出ようか迷っていると結城君が言った。
「ごめんね、じゃあ」
私は携帯を持ち、トイレへ。
「もしもし?」
『あー、昨日はごめん』
「いや、大丈夫です」
『よかったら今度飯行かない?』
「えっ?」
『いや、無理だったらいんだけど』
「いえ、行きます。行きたいです」
『よかった。じゃあまた連絡する』
「はい、では」
電話を切ると胸がほこほこしていた。
大河じゃないけれど…
大河にそっくりなあの人に
逢えるなんて。
「今の彼氏?」
テーブルの所に戻ると結城君に聞かれた。
「えっまさか!彼氏じゃないよ」
「よかった…あのよかったら僕と付き合ってください」
結城君からの突然の告白。
驚きすぎて声も出ない。
「驚くよね。僕は前からずっと紺野さんのこと気になってたんだ…」
「あ、あの…ありがとう。でも私…」
「返事は今すぐじゃなくていいんだ。時間をかけて僕のことを知ってもらってから返事を聞かせてほしい」
結城君の真剣な眼差し。
私達はしばらく…いや少しの間見つめあっていた。