-Why?-

「ということなんだけど」

ここは私の家。

祐奈と合コンのときに知り合った莉子さんが遊びに来ている。

祐奈に結城君とのランチの出来事を報告すると祐奈は飛び上がった。

「やっぱり!結城君玲のことが好きだったのよ」
「結城君てどんな人なの?」

状況を知らない莉子さんに祐奈が説明する。

「爽やかで〜優しくて!イケメンだよ!そこそこ人気あるし」

え?結城君て人気あるんだ。初耳。

「言われてみればわたし結城君のこと全く知らないなあ」
「付き合って結城君のことを知ればいいのよ。結城君もそう言ったんでしょ?」
「そうよ!ナイスボーイみたいだし、付き合っちゃいなよ、玲」

気の強い祐奈と帰国子女のサバサバした莉子さんに迫られる。

「…でも私…」

やっぱり、大河のことが頭から離れないんだ。

こんな気持ちで結城君と付き合うなんて彼に悪い。

「玲。大河さんは亡くなったの。いつまでも現実から目をそらしちゃダメ」

いつになく真面目な顔の祐奈。

「…わかった。私、結城君と付き合って大河のこと自然になつかしめるようにするよ」

そう固く決心した。

忘れる…なんてことはできそうにないけど、せめて、大河のことが幸せな思い出としてなつかしめるように…なれますように。

「その調子だよ、玲」
「ありがとう、莉子さん」
「やだなあ、さんだなんて。莉子でいいよ、フレンドでしょ?あたしたち」
「うん!莉子」

前向きに…なれてる。




大河?

元気ですか?

私は元気です。

あなたはもういないけれど

私、前向きに生きて行くよ?


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