魔法の言葉で夢を見させて?〈完〉
家に帰ると、可愛い舞のお出迎え……
かと思いきや。
なぜか不機嫌な舞がリビングのソファの上で体育座り。
なんなんだ。
よし。とりあえず、1人で引っ越ししたことを褒めよう。
「いい子だなー。舞は」
舞のほうへ
にっこりと微笑みながら。
「………べつに」
やっぱり、お姫様はご機嫌斜めなようだ。
なにがあったのだろうか。
普段からおしゃべりな方ではない舞。
でも、俺にはきちんと言うことは言うし
甘えてくれる。
親に甘えられない幼少時代を過ごした舞にとって、甘えることは難しいこと。
俺には心を開いてくれていると確信できるから。
舞のワガママも、舞の甘えん坊なところも。
すべてが俺の幸せになる。