プリーズ・イート・ミー
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「……今朝、すっごい嫌な夢、見ちゃってさぁ」
会社にほど近い洋食屋にて。
わたし――若宮奈々子(わかみやななこ)は、不機嫌きわまりない声でそう言った。
目の前にあるのは日替わりランチのハンバーグ。
わたしはそれにグリグリと力任せにナイフを入れる。まるで敵をやっつけるみたいな感じで。
「もう、目覚め最悪。せっかく忘れてたのに。クリスマスソングなんか、かかってるから思い出したじゃないかっ」
「嫌な夢って、どんなですか? てか、菜々子さん、クリスマスソングにヤツ当たりはやめてください。今日はイブなんだから、どの店でもきっとかかってますよ」
向かいの席から冷静なツッコミを入れたのは、後輩の杏里(あんり)ちゃん。
人参のグラッセを頬張り、口をモグモグさせてる。
わたし達ふたりは商社に勤めるOL。
所属は食品部で、うちの課は洋酒を担当している。海外から輸入したお酒をお店に卸すのが仕事なのだ。
入社4年目で26歳のわたし。杏里ちゃんは3つ下の新入社員。
年齢も性格も違うけど、不思議と気が合うんだ。
「で? どんな夢だったんですか?」
「聞いてくれる?」
杏里ちゃんがうんうん頷いてくれたので、「それがね……」と、わたしは今朝見た夢の内容を語り始めた。
「……今朝、すっごい嫌な夢、見ちゃってさぁ」
会社にほど近い洋食屋にて。
わたし――若宮奈々子(わかみやななこ)は、不機嫌きわまりない声でそう言った。
目の前にあるのは日替わりランチのハンバーグ。
わたしはそれにグリグリと力任せにナイフを入れる。まるで敵をやっつけるみたいな感じで。
「もう、目覚め最悪。せっかく忘れてたのに。クリスマスソングなんか、かかってるから思い出したじゃないかっ」
「嫌な夢って、どんなですか? てか、菜々子さん、クリスマスソングにヤツ当たりはやめてください。今日はイブなんだから、どの店でもきっとかかってますよ」
向かいの席から冷静なツッコミを入れたのは、後輩の杏里(あんり)ちゃん。
人参のグラッセを頬張り、口をモグモグさせてる。
わたし達ふたりは商社に勤めるOL。
所属は食品部で、うちの課は洋酒を担当している。海外から輸入したお酒をお店に卸すのが仕事なのだ。
入社4年目で26歳のわたし。杏里ちゃんは3つ下の新入社員。
年齢も性格も違うけど、不思議と気が合うんだ。
「で? どんな夢だったんですか?」
「聞いてくれる?」
杏里ちゃんがうんうん頷いてくれたので、「それがね……」と、わたしは今朝見た夢の内容を語り始めた。