プリーズ・イート・ミー
わわっ。わたし何言っちゃってるんだろう。ほらっ、桐谷さん驚いてるじゃない。
でも、もう口が止まらない。
「あ、あのっ。だって、ホールケーキ、わたしひとりじゃ食べるの大変だし。あ、コーヒーでも淹れますから、それで……ケーキ、一緒に食べませんか?」
自分でもわかる。今、めちゃくちゃ焦ってる。
夜で、暗い車内でよかった。きっと今真っ赤になってると思うから。
こういうの、清水の舞台から飛び降りるって言うんだろうな。
わたしとしてはかなり勇気を振り絞って誘ったつもりだったんだけど……。
「いや、やめとくよ」
桐谷さんは冷静だった。
……これが現実。
クリスマスムードに浮かれてのぼせ上がってたのは、きっとわたしだけ。
「ですよね。すみません、わたし、何言っちゃってるんだろ。今の、忘れてください」
早口でまくしたてる。もう恥ずかしすぎるよ。早く車から降りて、桐谷さんか離れたい。
「ほんと、すみません。あと、ありがとうございました。じゃ、わたし、これで」
と、ドアノブに手をかけた瞬間……。
横から伸びてきた彼の手が、わたしの手首を掴んだ。
「違う」
でも、もう口が止まらない。
「あ、あのっ。だって、ホールケーキ、わたしひとりじゃ食べるの大変だし。あ、コーヒーでも淹れますから、それで……ケーキ、一緒に食べませんか?」
自分でもわかる。今、めちゃくちゃ焦ってる。
夜で、暗い車内でよかった。きっと今真っ赤になってると思うから。
こういうの、清水の舞台から飛び降りるって言うんだろうな。
わたしとしてはかなり勇気を振り絞って誘ったつもりだったんだけど……。
「いや、やめとくよ」
桐谷さんは冷静だった。
……これが現実。
クリスマスムードに浮かれてのぼせ上がってたのは、きっとわたしだけ。
「ですよね。すみません、わたし、何言っちゃってるんだろ。今の、忘れてください」
早口でまくしたてる。もう恥ずかしすぎるよ。早く車から降りて、桐谷さんか離れたい。
「ほんと、すみません。あと、ありがとうございました。じゃ、わたし、これで」
と、ドアノブに手をかけた瞬間……。
横から伸びてきた彼の手が、わたしの手首を掴んだ。
「違う」