プリーズ・イート・ミー
「大きな手が近づいてきたかと思ったら、ひょいって、わたしのことつまみあげるの~。ジタバタしても逃げられなくて、大きな口があーんって……」
「うわぁ……それなんて進撃の巨……あ、いえ、ホラーですね、完全に。で、食べられちゃったんですか? こんな風に」
そう言って、ハンバーグをぱくりと口に入れる杏里ちゃん。
わたしはううん、と首を横に振った。
「食べられはしなかった。その人の舌先が触れて、わたしの体についた生クリームをペロって舐めたところで、目が覚めたの。というか、ここからが肝心なんだけどさ。 何が怖かったって……その食べようとしてた人がさぁ……」
「え? もしかしてあたしの知ってる人ですか?」
がぜん興味が湧いてきたのか、杏里ちゃんが身を乗り出してくる。
わたしは思いっきり顔をしかめて彼の名を口にした。
「……桐谷(きりたに)さんだったの」
「うわぁ……それなんて進撃の巨……あ、いえ、ホラーですね、完全に。で、食べられちゃったんですか? こんな風に」
そう言って、ハンバーグをぱくりと口に入れる杏里ちゃん。
わたしはううん、と首を横に振った。
「食べられはしなかった。その人の舌先が触れて、わたしの体についた生クリームをペロって舐めたところで、目が覚めたの。というか、ここからが肝心なんだけどさ。 何が怖かったって……その食べようとしてた人がさぁ……」
「え? もしかしてあたしの知ってる人ですか?」
がぜん興味が湧いてきたのか、杏里ちゃんが身を乗り出してくる。
わたしは思いっきり顔をしかめて彼の名を口にした。
「……桐谷(きりたに)さんだったの」