プリーズ・イート・ミー
言った……。気持ち、全部伝えちゃった。
しかもどさくさに紛れてキスまでしてしまうなんて。

あたし、とんだもないことしちゃったのかな。

富樫さん、呆れてる?
もしかしてさらに嫌われたかも。


冨樫さんはしばらくの間、ポカンと黙り込んでいたけど。
やがて、クスクス笑いだした。


「たしかに。食わず嫌いはよくない。全く、正論だな。まいった。6つも年下の女の子に説教されるなんて、思ってもみなかった」


優しく微笑んで、じっと見つめてくる。


「じゃぁ、キミのこと、もっと聞かせてよ。もっともっと話そう」

「あたしのこと……ですか?」

「ああ。てか、寒っ。とりあえず、ここじゃ凍え死ぬから中入ろ」

< 75 / 101 >

この作品をシェア

pagetop