プリーズ・イート・ミー
ふたりで部屋の中に入る。

リビングの暖炉に冨樫さんが薪をくべてくれて、二人並んでその前に座る。

マシュマロを暖炉の火で焼いて食べましょう、というあたしの提案に、冨樫さんも乗ってくれた。

長さ30センチぐらいの小枝にマシュマロを差し、それを炎にかざす。
パチパチと爆ぜる音を聞きながら、ワクワクしながら待つ。
そんなふたりの顔はオレンジ色に照らされていた。

マシュマロに焼き色がつき、ふっくらしたところで、ふーって息を吹きかけてから、口に入れる。


「悔しいけど。またキミが正しい。これ、うまいな」

「でしょう? だから言ったじゃないですか」

「はいはい、食わず嫌いはダメ、なんだろ?」


あたしの言おうとしたセリフを冨樫さんがとっちゃった……。

ふたり、顔を見合わせてふふって笑う。

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