プリーズ・イート・ミー
この謎はコナン君でも解けないと思う。

などと、寝起きの頭で必死に考えを巡らせていると、能天気な声がした。


「まぁ、うまくいったっつーことじゃない?」


ふわぁと、あたしの横で大きなあくびをしているのは山田和也。
後頭部が鳥の巣みたいにクシャクシャになっているこの人は、あたしの恋人。

いったいどんな寝方したら、こんな寝グセがつくんだ。


「おはよ。起きたんだ」

「んー。はよ」

「ねぇ、これ、どう思う?」


あたしが床で眠ったままのふたりを指さすと、「さぁ?」と和也は肩をすくませる。


「まぁ、男と女の関係なんて、いつ何が起こるか予想もつかないからね~。一晩ありゃ、色々なこと、できますし」


なんて意味深なこという。


「色々……って。まさか、冨樫さん、いきなり手、出してないでしょーね。あたしの大事な杏里に!」

「それは大丈夫じゃない?」

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