雛菊~新撰組とcrazygirl~
沖田は動かない。
笑みは消えた。
刀を片手に持って構えている。
私はお構い無しに近付く。
沖田が動く。
上から刀を降り下ろそうとしてくる。
すかさず後ろに回って羽交い締めする。
そして、銃口をこめかみにぴたりと当てる。
「ねぇ……あんたは私の事を散々嘲笑ってたよね…?
それはさ、楽しかった?私は今…とても楽しいよ…。
ねぇ…私がこの引き金を引いたらあんたは死ぬ…。
どうする?あんたは死んで負ける…。私は生きて勝つ。
カチャリ
皆が一斉に刀に手を掛ける。
カチリ
引き金を引く。
皆が一斉に刀を抜く。
沖田は動かない。
━━━━━死んでるのか!?
皆の脳裏にこの言葉が過る。
実際は違う。
驚きで動く事が出来ないのだ。
「ふぅ。」
ドスッ
沖田の体を離す。
私に刀の鋒(キッサキ)が向けられる。
「殺したのか!?」
土方に聞かれる。
私は俯いたまま答えない。
「殺したのかっつってんだろ!」
襟首を掴まれる。
完全に逆ギレだ。